【DIY】築60年越え民家の土壁を珪藻土にセルフリノベしてみた

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珪藻土を使った和室の壁DIY

和室は好きだけど、砂壁の経年劣化によるひび割れや剥がれが目立ち、掃除の時はいつも床に砂がポロポロと落ちている…。

色もかなり暗く、なんだか気分も落ち込みます。

和の味わいを残しつつ、快適な空間にアップデートしたい——

そんな思いから、築60年以上の古民家の土壁を珪藻土に塗り替えるセルフリノベーションに挑戦しました。

(やっぱり自分でやるのが一番安い。笑)

今回は、その過程や気づいたこと、使用した材料・道具、成功・失敗ポイントをまとめてご紹介します。

目次

珪藻土を選んだ理由

珪藻土を選んだ理由は、住んでいる場所との相性が一番大きいです。

私が住んでいるのは海沿いなので、夏の湿度は尋常じゃありません。

昔住んでいた家はクロスでしたが、少しでも日当たりの悪い場所はじわじわとカビが生えてとても嫌な思いをしました。

対して砂壁は、どんなにジメジメした日でもカビ知らず。

先人の知恵、恐るべし。

珪藻土を選んだ理由をまとめると

  • 調湿効果が高く、カビを防ぎやすい(漆喰より効果が高いらしい)
  • 消臭効果
  • 漆喰より扱いやすい

このようなメリットのある珪藻土を使うことに決めました!

道具と材料

私が、今回の作業で使用した道具と材料は以下です。

  • 天然珪藻土
  • 下地処理用シーラー
  • マスキングテープ
  • 養生シート
  • 左官コテ
  • 左官用コテ受け台
  • ハケやローラー
  • ゴムベラ
  • バケツ
  • 霧吹き
  • 金属のヘラ

天然珪藻土(練り済みタイプ)
珪藻土は、扱いやすいアクリル系の材料が混ざっている商品もありますが、肝心の調湿がきちんとできるのか疑問だったため、天然素材の商品を買いました。

下地処理用シーラー
下地用シーラーは2種類使用。

①フジワラ化学 内装用 古壁用強化アク止め材 アクドメール 4Kg
こちらはドロっとしたテクスチャーです。
1回目は2倍に薄めて、2回目は原液を塗りました。

②アサヒペン 壁紙用 せんい壁砂壁おさえ 4L 約12畳分
こちらはかなりサラサラしたテクスチャーで塗りやすいです。
ヤニ止めと勘違いして買ってしまったのですが、3回以上塗り重ねればヤニは出ませんでした。

マスキングテープ・養生シート
マステは幅が太いほうがいいです。

ハケとローラー
シーラーを塗るのに便利です。

左官コテ
使いやすいかどうかは人それぞれかと思いますが、試してみるのもおすすめです。

左官用コテ受け台
あると便利です。

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ゴムベラ
私は左官コテが使いこなせなかったため、少ししなりのあるゴムベラを使って珪藻土を塗りました。

金属のスクレーパー
古い土壁を剥がすのに便利です。

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バケツ
作業に慣れてきたので、バケツに一度に大量に珪藻土を入れて水で柔らかさを調整しました。

霧吹き
珪藻土の硬さを調整したり、古い砂壁を剥がすために水を吹きかけるのに使用しました。

これらをホームセンターやネットショッピングで揃え、準備完了!

施工手順

養生とマスキングをして、シーラー1回目を塗った後の画像
養生とマスキングをして、シーラー1回目を塗った後の画像

まずは壁面積が一番狭い、トイレの壁からチャレンジしました。

(失敗を最小限にするために狭い場所から始めました。)

1、マスキングテープや養生シートを貼る

汚したくない柱や床、家具などを、マスキングテープや養生シートで保護しましょう。

床は捨てる予定の段ボールなどを敷きました。

シーラーや珪藻土などは丁寧に扱っているつもりでも意外と飛び散っていたりするので、ここはケチらず徹底的に防護した方がいいです。

マステの色は、壁色とは違うものを使った方がおすすめですよ。

剥がすときにわかりやすいです。

ちなみに私は黄色のマステを使いました。

2、古い壁を剥がし、シーラー(ヤニ止め)を塗る

珪藻土などの「塗り」作業が注目されますが、この下処理の方が重要です。

この下準備の出来で、完成の出来も変わります。

まずは古い土壁のホコリを落とします。

もし砂壁ごと剥がせるのなら剥がしたほうがいいです。

汚れを吸っている砂壁は、シーラーを塗ってもヤニが浮き上がってくる場合があります。

私は一部の壁を、砂壁を剥がさずに施工したらシーラーをがっつり塗ったにも関わらず、珪藻土が薄くアイボリーに変化してしまいました…。

砂壁は、霧吹き等で水を含ませると、ヘラ等で簡単に剥がせます。

一方、私の家のトイレはじゅらく壁でした。

聚楽壁は土壁の一種。材料は 藁(わら)や麻、細かい紙やスサ、砂です。
聚楽壁は土壁の一種。材料は 藁(わら)や麻、細かい紙やスサ、砂です。

一部の壁はじゅらく壁の繊維が上塗りされている石膏ボード自体が浮き上がっていたので、その面だけ石膏ボードから剥がしました。

じゅらく壁を剥がしている場面

石膏ボードを剥がすと、畑の土のような茶色い土壁だったので、ヤニが出ないように徹底的にシーラーを塗りまくりました。

シーラーを塗る回数は商品によって違いますが、少なくとも2回、気になるようであれば4回は塗った方がいいでしょう。

シーラー2回目。色が濃くなっている部分はしみているので、1回目で効きが甘かったところです。やはり最低限2回は塗らないといけないですね
シーラー2回目。色が濃くなっている部分はしみているので、1回目で効きが甘かったところです。やはり最低限2回は塗らないといけないですね

しっかり乾燥させる必要があるため、この作業には数日かかります。

3、珪藻土を塗る

シーラーがしっかり乾いたら、早速珪藻土を塗っていきましょう。

私が使用したのは「オーガニックウォール OW1 フローラルホワイト」です。

便利なアクリル系の素材が入っている商品もありますが、

「それってあんまり調湿効果ないのでは…」

という不安要素があったので、完全に天然素材で作られているこちらの商品を選びました。

すでに練り済みで届くので、すぐ作業できて良かったです!

ただ、天然素材なので二週間以内に使い切らなくてはなりません。

事前に施工スケジュールを立てて購入しましょう!

使用する練り済みの珪藻土は、硬めの生クリームのようなテクスチャーでした。

ブランド:オーガニックウォール 色:フローラルホワイト
ブランド:オーガニックウォール 色:フローラルホワイト

初心者の私にとっては、少し硬くうまく塗り広げられなかったので、珪藻土を左官用コテ受け台にすくった後、霧吹きで水をかけながらゴムベラで丁寧に練って柔らかく調整していきました。

珪藻土をゴムベラと霧吹きを使って丁寧に硬さを調整していきます
珪藻土をゴムベラと霧吹きを使って丁寧に硬さを調整していきます

個人的には、生クリームのツノがたつ程度の硬さに調整して塗るのが一番施工しやすかったです。

それ以上に水分量が多いと、ヤニの原因になるので気をつけましょう。

(水分量が多すぎてちょっと失敗した時もありました。笑)

塗りは2ミリ程度の厚みが推奨されているようですが、うまくできませんでしたので2回に分けで塗り進めました。

1回目は薄く全体的に塗る。

2回目は、1回目が乾いた後に薄く下地が見えている部分に重ねて塗る。

こんな感じで塗り進めました。

ちなみにヒビ割れ等はありませんでしたので、とても扱いやすい素材だと思いました!

終わったら、しっかり完成させて、マステを剥がして完成です!

まとめ

一番上手に珪藻土を塗れた和室の壁
一番上手に珪藻土を塗れた和室の壁

成功したこと・良かったこと

ぶきっちょでも、手作業ならではの味のある仕上がりになり、いい感じに形になります。

珪藻土の調湿・消臭効果を実感できます。

失敗したこと・今後に活かしたいこと

均一に塗るのは難しいので、一回で成功させようと思わず2回に分けて塗ると良いです。

古い砂壁を剥がせるのであれば、できるだけ剥がしてから作業したほうがいいです。

霧吹きで水をかけ、金属のヘラで剥がせば簡単に落ちます。

それが難しい場合は、シーラーを3回以上塗ったほうがいいと思いました。

まとめ

築60年の古民家の風合いを生かしつつ、自分好みの空間にリノベーションできた満足感は大きかったです!

初めての左官作業でしたが、思ったよりも楽しく、また挑戦したくなりました。

これからセルフリノベを考えている方の参考になれば嬉しいです!

kasei JETS studio

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