※この考察は、NHK大河ドラマべらぼうのネタバレを含みます。


花魁・誰袖ってまた強烈なキャラが出てきたわね…



ネットでは詐欺師とか言われてたね…
毎エピソードごとに強烈なインパクトを残しているNHK大河べらぼう。
第18話の終盤から、大文字屋の花魁・誰袖(演:福原遥さん)の存在感がグッと大きくなりました。
実は、五代目瀬川に次いで、誰袖も実在した人物だったことはご存知でしたか?
今回は、べらぼうの誰袖、実在した誰袖、そして福原遥さんついて徹底的にレポートしていきたいと思います!
⇩ちなみに、他にも大河ドラマべらぼうに関する記事を書いていますので、興味のある方はぜひ読んでいただけると嬉しいです!⇩




べらぼうの誰袖


誰袖は吉原の新興勢力・大文字屋の花魁です。



大文字屋の旦那は伊藤淳史さんが演じているわよ
禿(かむろ:10歳未満で身売りされた幼い女郎見習い)を経て、振袖新造(ふりそでしんぞう:禿を卒業したばかりの若い遊女)の時には「かをり」と名乗り、主人公・蔦屋に一方的な恋心を抱いていました。
その後成長し、吉原を代表する花魁となりました。
第19話では蔦重に身請けしてもらおうと、死に際の大文字屋の旦那にニセの身請け証明書を無理やり書かせて、蔦重に500両で自分を身請けさせようとしました。


そのシーンにネットでは、
「極悪すぎる」
「だいぶ酷ぇことしてんな!?」
「まいんちゃんメンヘラでやべえ」
「怖っ!鬼か!」
「何やってんだw」
「詐欺師のやり口」
と、みんなで楽しく大賑わいでしたw



天然っていうか、ぶりっ子っていうか、なんだろう…
このキャラを作っているのがわかてっても、男は「でもかわいい」って思っちゃう…



瀬川は花魁としては一流でも自分の恋には不器用な感じだったけど、誰袖はプライベートでも策士な雰囲気がただよっていたわね。


福原遥の略歴
誰袖を演じる女優・福原遥さんはどんな人物なのか調べてみました。
福原 遥(ふくはら はるか)、1998年生まれ。埼玉県出身。
2009〜2013年にNHKで放送されたアニメ『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』で、主人公の「まいんちゃん」を演じた。
2025年放送の『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でNHK大河ドラマ初出演。



えー!あのまいんちゃんがこんな艶っぽい女優になったの?!



瀬川の時と全く同じリアクションしてないか?
実在した誰袖


誰袖の生没年は不詳、残されている資料も少ないですが、吉原の新興勢力だった大文字屋の花魁だったことは確かです。



松葉屋さんに続き、大文字屋さんも実在したんだね。



瀬川もそうだったけど、遊女ってあまり資料が残ってないんだね。
大文字屋はかつて吉原西側の河岸に店を構えていましたが、次第に繁盛し、吉原の大通りに転居するほど成功した店でした。
伊勢(三重県東部)出身の村田市兵衛が開き、べらぼうで登場する大文字屋市兵衛(演:伊藤淳史さん)は、その婿養子である二代目となります。
そんな大文字屋の看板遊女として名を馳せたのが誰袖でした。



ちなみに大文字屋さんが最初にお店を出していた場所「河岸」とは、華やかな大通りでは働くことのできない女郎たちの最期の場所だよ。



大ヒット作品「鬼滅の刃」遊郭編で、妓夫太郎と堕姫の鬼兄妹が、人間だった頃に暮らしていたボロボロのお家があったのは、この河岸見世エリアだよ
また、誰袖は教養をかなり積んでいて、狂歌を好んでいた花魁として知られていました。



狂歌とは、和歌に皮肉、社会風刺などを込めて詠んだもので、江戸で大流行したんだよ。
天明3年(1783年)に『千載和歌集』をもじった『万歳狂歌集』内には、誰袖が詠んだ狂歌が収録されています。
「わすれんと かねて祈りし紙入れの などさらさらに 人の恋しき」
(忘れたいと思っているのに、あの人からもらった紙入れを見ると、ますます恋しく思えてくる)



切ない恋の歌ね
大文字市兵衛はこの時期における代表的な狂歌師でもあり、「加保茶元成(かぼちゃ の もとなり)」というペンネームを持っていました。
大文字屋が吉原の人々から「かぼちゃ」と呼ばれていたのはここにも理由があったのですね。
誰袖が狂歌に親しんでいたのは、大文字屋の影響も強かったのでしょう。
しかし、誰袖の名が書かれた『吉原細見』から1年後の正月の版からは消えています。
一体何があったのでしょうか?
江戸幕府を揺るがす大事件に巻き込まれる
誰袖の名が江戸中に広まったのは、老中・田沼意次の腹心だった土山宗次郎によって、1,200両(現在の価格で1億2000万円)という巨額で身請けされたことが始まりです。
土山は田沼意次の部下で、勘定組頭を務めていた超重要人物でした。
勘定組頭は、今でいう財務大臣と農政大臣を兼任した役職みたいな感覚です。



べらぼうでは土山宗次郎役は栁俊太郎さんが担当するよ!



瀬川が1400両だったから…それに次ぐ身請け金ね。
財務大臣と農政大臣を兼任してるんだから、そりゃエリートお金持ちよね…。



実際の身請けの際には、身請け金だけでなく、ご祝儀、関係各所や仲間の女郎たちへの赤飯など…色んなものを振舞う必要があり、総額は身請け金の約2倍になることもめずらしくなかったんだ。



でも田沼意次(演:渡辺謙さん)はべらぼう内で、幕府には金がないって言ってなかった?
そうなんです。
当時、幕府の直臣の多くが生活に窮していたのに、土山はどうしてそのような大金を用意できたのでしょうか?
田沼は蝦夷地(北海道とその周辺)の開拓やロシアとの交易に目をつけ、その実地調査を指揮したのが土山でした。
一方、諸大名が幕府に頼みごとをする場合、窓口となる勘定組頭に「贈り物」をするのが一般的であり、新規事業を次々と進めた田沼の下で、土山への「贈り物」が日に日に増していきました。



それって今でいう裏金…



お〜いぬ、センシティブなことは言わないでくれ!
誰袖身請けの資金も、吉原での豪遊費用も、このような不正なお金だったそうです。
この豪遊ぶりが世間の注目を集めると同時に、金の出どころにも疑問を持ち始める人々が出てきたのです。
べらぼうで尾美としのりさんが演じている朋誠堂喜三二が描いた黄表紙『文武二道万石通(ぶんぶにどうまんごくとおし)』(1788年刊)には、土山と誰袖の遊びっぷりを思わせるような場面が描かれています。
大磯と書かれていますが、実際には吉原での贅沢な遊びを指しており、幕府の高級官吏の遊興を風刺する意図があったと考えられます。


結果として土山は、田沼失脚後に公金横領の罪・500両の横領があったとして斬首されることとなりました。
その後、誰袖の行方は誰も知りません。


まとめ
いかがでしたか?
ネット上では、誰袖の小悪魔っぷりばかりが注目されますが、実際の誰袖について知ると、べらぼうはこの後トンデモナイ事件が描かれる予感がしますね!
19話の最後に蔦重が誰袖に対して「ああいうヤツが大奥で毒を盛ったりするんだよな…」というセリフは何かしらの伏線ではないかと勘ぐってしまします。
ある意味、瀬川よりも盛り上がりそうな展開になりそうで、一視聴者としてワクワクします!
これからも目が離せません!
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