※この考察は、NHK大河ドラマべらぼう のネタバレを含みます。

毎エピソードごとに強烈なインパクトを残しているNHK大河べらぼう。
第4話では、蔦重(横浜流星さん)といつも一緒にいる唐丸(渡邉斗翔くん)が絵の才能を発揮するシーンが描かれました。
べらぼうはじめ化政文化を研究している私としては、この描写にピンとくるものがあったので、今回は謎の少年・唐丸の正体をがっつり考察していきたいと思います!

唐丸とは?

公式サイトでは、以下のように紹介されています。

もののけ姫のパンフレットの”サン”の紹介文くらい短いね。



細かすぎて伝わらねえわ
他のキャラクター紹介と比べても、不自然なほど短い紹介文になっています。
唐丸は今後、重要なキーパーソンになっていくのは間違いないでしょう。
渡邉斗翔(わたなべ とわ)くんのプロフィール


唐丸を演じる渡邉斗翔くんは、実は大河初出演ではありません。
べらぼうの前作「光る君へ」にも出演している売れっ子子役です。
さっそく渡邉くんのプロフィールを調査してみました。
誕生日:2012年12月11日
所属:クラージュキッズ
2022年から本格的に活動を開始
あまりプライベートな情報は出回っていませんね。
渡邉くんはまだ12歳なので、人権や心を守るためにも、事務所や親御さんが情報をセーブしているのかもしれません。
そうだとしたら、周りの大人たちに対しても好感度が上がりますね。笑
渡邉くんの演技には、クセがなく、とても自然で爽やかな印象を感じました。
子役が子どもらしい演技をしすぎて嫌味っぽく感じる時は多々あるかと思いますが、渡邉くんにはそれがないのが魅力です。
このまま順調に、大物役者になってほしいですね!
有力なのは2人


私が今回の説として挙げるのは
唐丸=北斎説と写楽説
第4話では、礒田湖龍斎(鉄拳さん)が描き上げた大切な絵が水で濡れて滲んでしまったシーンがあります。
そこで唐丸は、別の紙に丸ごと模写するという神技を発揮!
おそらく今後、絵師か職人として活躍していくのではないかと思いました。



トレース台もない時代にどうやってトレースするのかと思ったらまさかの模写だったわ



下書きなしに一筆書きで仕上げるなんて…。
なかなかやりますね…童 唐丸…。



王毅将軍みたいに言わないで
唐丸=葛飾北斎説


一人目の有力者は
唐丸=北斎説



えー!!わし?!!



親父どののキャストが発表されていないのが、不自然だなと思っていたのよね
実際の蔦重は1750年生まれ、北斎は1760年生まれ。
二人は10歳差です。
そして物語における蔦重の年齢は23歳。
唐丸は、蔦重が吉原の大火事で保護した記憶喪失の少年なので詳しい年齢もわかっていませんが、唐丸演じる渡邉くんは12歳なので、見た目的に約10歳差というのは納得できますね。
さらに北斎は、子供の頃から絵を描くのが好きで、12歳から貸本屋の丁稚として働き、14歳からは木版画の版下彫りをしていたとされています。
12歳で貸本業…しかも丁稚というのは、唐丸がもし蔦重の耕書堂を手伝うとなると、物語の設定と非常にリンクします。
また北斎も、前半生の記録はあまり残っていないので”謎の少年”とされてもおかしくないですね。
しかし現実の北斎は、幕府御用達の鏡磨師であった叔父に養子として迎え入れられて育ったので、記憶喪失といえど少々強引かとも感じるので難しいですね。
葛飾北斎のキャストは発表されていませんが、葛飾北斎の師匠・勝川春章に前野朋哉さんが選ばれたことは発表されているので、北斎のキャストが発表されないのは、北斎=唐丸だからではないかとも考えられます!
あと個人的に思うことは…。
べらぼうのOPで、後半に葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』と『凱風快晴』が異常に目立っていることが気になります。
北斎が富嶽三十六景を描いたのは70歳を超えてからなので、蔦重はその時すでに亡くなっているのですが、
このOPに、蔦重から北斎(唐丸)に受け継がれた情熱が表現されているとしたら、北斎の作品が大きく目立つのも納得の演出かと思っています。




唐丸=東洲斎写楽説


日本人なら一度は見たことのあるであろうこの絵。
東洲斎写楽の代表作「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」です。
こんな有名な作品を生み出した写楽の正体は、実は明らかになっていないんです。
あまりの手掛かりのなさに、「写楽は存在しない説」までささやかれているほどです。
写楽に関する詳しい話は以下にまとめてありますので、読んでいただけると嬉しいです。


話を戻しますが、
唐丸が、絵をを時間を忘れて描き写す→楽しそうに写す→写楽。
というメタファー込められている気もしますし、出自が不明な点が東洲斎写楽の共通点と合致します。
もし唐丸が写楽だったら物語的にもすごく盛り上がりますよね!
他の絵師の可能性は?
ネットでは、喜多川歌麿ではないか?
という考察も巻き起こっています。
しかしながら、それはいささか立証不足なので詳しく解説していきます。
喜多川歌麿役はすでに決まっている
蔦重がプロデュースした絵師の一人として有名なのが、美人画の大家・喜多川歌麿。
唐丸を蔦重がプロデュースするのではないかという憶測がありますが、
喜多川歌麿を演じるのは染谷将太さんだと公式が発表しています。
【2/3更新】第5話終了後:東洲斎写楽 確定か?
第5話では、唐丸が、ヤクザ崩れみたいな男に何かしらの弱みを握られ、蔦重が働いている店から金を盗み、その後失踪してしまうシーンが描かれました。
失踪した唐丸の生死もわからないままですが、蔦重は生きていることに望みをかけ、もう一度会う時には「唐丸を謎の絵師として売り出す」という約束を果たしてやるのだと、心に誓ったのでした。
これで、唐丸が東洲斎写楽だということは、ほぼ確定したので、今回は唐丸=写楽説について改めて詳しく解説していこうと思います!
写楽説 確定の理由
唐丸=写楽説の理由について先ほども少しお話ししたのですが、蔦重のある“言葉”にヒントが隠されています。
「唐丸を謎の絵師として売り出す」
この言葉の“謎の絵師”というのは、東洲斎写楽のバックグラウンドと非常にリンクします。
また、「鈴木春信のような絵を描かせる」という言葉も、写楽の得意とした人物画を彷彿とさせます。
故に、唐丸が写楽であるという仮説に信憑性が増しているのです。
写楽の正体をめぐる有力な説と唐丸の関連性
活動期間が短いだけでなく、名前や経歴についても一切記録が残されていない写楽ですが、写楽の正体について有力視されている2つの説を紹介します。
さらに唐丸との関連の可能性もからめて解説します。
能役者・斎藤十郎兵衛説
現在、最も有力視されている説。
斎藤十郎兵衛は、江戸中村座に所属していた阿波徳島藩主蜂須賀家お抱えの能役者で、舞台芸術に精通していました。
写楽の作品に見られる俳優の演技の深い理解や劇場のリアルな描写は、舞台関係者でなければ難しいと考えられます。
また、斎藤の活動期間と写楽の作品発表のタイミングが重なる点も、この説を裏付けています。
個人的な考察では、ヤクザ崩れの男が刀を持っていた点から、おそらく彼は腐っても武士。
なので、唐丸が武家である阿波徳島藩主蜂須賀家に関係する子と仮説を立てた場合、同じ武士に弱みを握られやすい格好の的ではないでしょうか。
さらに、阿波徳島藩主蜂須賀家は、もともと羽柴秀吉に仕えた武家。(蔦重の時代には、阿波国で栄えました。)
羽柴秀吉といえば、織田信長の死後、天下統一をした尾張国の戦国大名。
第5話の最後に、
「尾張国 熱田で、ある男が一冊の古本屋を手にする」
という意味深なシーンが数十秒だけ描かれる点も、今後の唐丸と何か関係があるのではないかと考えられます。
唐丸が写楽であり、しかも斎藤十郎兵衛の可能性が濃厚に裏付けられる説ですよね!


本当は仲良しなお二人。素敵な写真ですね!
蔦屋重三郎が仕掛けた架空のスター説
史実で写楽が大活躍する頃、蔦重はすでに数々の浮世絵師や作家を売り出す手腕を身につけていました。
そこで「写楽」という架空の人物を作り上げ、マーケティングの一環として作品を発表したのではないかとする説です。
蔦重の大胆な戦略や、写楽の突然の消失がこの説を支えています。
しかし、もし写楽が実在しない人物だった場合、その作品を実際に描いたのは誰なのか?
それがこの物語では、唐丸ではないかとも読み取れますね!
なぜ写楽は消えたのか?
わずか10か月の活動期間の後、写楽は何の予告もなく姿を消しました。
その理由についても、多くの説があります。
写楽の革新的な作品は、当時の浮世絵市場では売れ行きが悪かったとされています。
また、写楽の作品は役者の特徴を誇張して描くため、俳優本人や劇場関係者の不興を買った可能性があります。



いい作品でも、時代が早すぎるというのはよくあることだからなあ…



写楽が世間に評価されるまでかなりの時間がかかってしまったようね
写楽が姿を消した後、彼の作品は長い間忘れられていましたが、19世紀後半に浮世絵がヨーロッパで評価されるようになると、写楽の独創的な表現が再発見されます。
特に、フィンセント・ファン・ゴッホやエドガー・ドガといった印象派の画家たちは、写楽の構図やデフォルメ技法に強く影響を受けました。
【5/14更新】第18話終了後:唐丸は喜多川歌麿で確定!
蔦重は絵師の北川豊章が描いたとされる絵を見て、この絵柄は過去に姿を消した唐丸が描いたものだと確信しました。
唐丸の手がかりを求めて豊章の長屋を訪ねると、「捨吉」と名乗る成長した唐丸に出会いました。



唐丸失踪時には希望を持った感じで締めくくられていたから、健やかに成長していると思ったら…



実際はめちゃくちゃ病んでいたぞ…。
詳しくは以下の記事で解説したので読んでくれると嬉しいぞ


唐丸は過去の呪縛に囚われて自暴自棄となっていましたが、蔦重から絵師・喜多川歌麿という名を貰い、もう一度人生をしっかり踏み出そうと決心しました。
太陽の光が燦々と降り注ぐ並木の道を、蔦重と歌麿が笑顔で駆け抜けるシーンはとても心がほっこりしましたね。



ということで、わしたちの考察は残念ながらハズれてしまった…。
でもとても楽しかったぞ!



これからもみんなと一緒にリアルタイムで考察していくわ!
気になる方は公式SNSもチェックしてみてください!
今後も、「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の情報や考察を発信していきますので、気になる方はぜひチェックしてくださると嬉しいです!
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